公共社会学科
お知らせ【公共社会学科】日本社会学会大会「公共社会学の課題と可能性」で報告
第97回日本社会学会大会「公共社会学の課題と可能性」での学会報告を終えて
- 2024年11月9日(土)京都産業大学で開催された第97回日本社会学会大会テーマセッションで本学科教員の堤・佐野・黒川が「「公共」を冠する葛藤と向き合う――福岡県立大学人間社会学部公共社会学科のあゆみ」と題した学会報告を行いました。本年は、2004年のアメリカ社会学会大会の会長講演でマイケル・ブラウォイが公共社会学の重要性を提唱してから20年の節目の年になります。
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- 今回のテーマセッションへの参加は、コーディネーターである尚絅学院大学の長谷川公一先生が尚絅学院大学大学院公共社会学専攻を設置する際に本学に視察にいらしたことが契機となりました。本報告以外に5名が登壇し、大学院教育での実践や大学と民間セクターや市民セクターとの連携などの事例を交え、「看板としての公共社会学」だけでなく、「中身としての公共社会学」について様々な観点から議論が交わされました。
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- 学会報告に向け、公共社会学科での教育について「何のために、何を、どのように学ぶのか」という点から自己省察するという作業を行ってきましたが、セッションに参加し、本学が提唱する公共人材の育成とは、「社会現象を理解する・解決するために、複数のセクターを越境し、各セクターの視点を翻訳し、対話を通して異なるセクターをつなぐことがきる人材の育成」であることを確認しました。また、そのために必要な知識--道具的知識と批判的知識--をpublicsとの対話を通して涵養することであることが確認できたように思います。最終登壇者である田中重好先生が、「公共社会学は、公共性(社会のルール)を問い、意見を交わすプラットフォーム」だとおっしゃいましたが、大会2日目の日本社会学会創立100周年記念国際シンポジウム「激動する世界における社会学の役割」で「複雑化する社会現象に対峙するために対話や連携を通したinter disciplinary、trans disciplinary」の重要性を説いた上野千鶴子先生の基調講演を聞き、公共社会学は日本社会学の「次の100年」を切り拓いていくプラットフォームとなるのではないかと確信しました。
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- 当日は、本学科の卒業生も駆けつけてくれて、とても良い学会報告になりました。
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※テーマセッション「公共社会学の課題と可能性」➜ 第97回日本社会学会大会 11月9日土曜日午後プログラム | 日本社会学会